AndroidでiPhoneに匹敵する楽器アプリの作成が困難な理由
Android 4.0で反応の良い楽器アプリは可能になるのか
が、Android 4.2になってその状況もついに変わるかも、と思わせてくれる記述が公式ドキュメントの中にあった。
開発者にとってAndroid4.2は何が新しくなったか - Firespeed
Jelly Bean | Android Developers
Low-latency audio
Android 4.2 improves support for low-latency audio playback, starting from the improvements made in Android 4.1 release for audio output latency using OpenSL ES, Soundpool and tone generator APIs. These improvements depend on hardware support — devices that offer these low-latency audio features can advertise their support to apps through a hardware feature constant. New AudioManager APIs are provided to query the native audio sample rate and buffer size, for use on devices which claim this feature.
(以下意訳)
Android 4.1でOpenSL ESによる低遅延再生、SoudPoolやトーンジェネレータAPIなどが改善されましたが、Android 4.2ではさらに低遅延な音声再生をサポートします。これらの改善点の恩恵を受けるにはハードウェアのサポートが必要です。低遅延再生をサポート可能なハードウェアは、アプリケーションに対してハードウェアフィーチャー定数を通じてその事を知らせます。新しいAudioManager APIを使うと、この機能をサポートしているハードウェア上でネイティブなオーディオサンプリングレートとバッファ・サイズを問い合わせる事が出来ます。
早速、先日Android 4.2に更新されたNexus 7でピアノアプリ「xPiano+」を試してみた。
このアプリは僕が今までAndroid上で試した数種類のピアノアプリの中では最も反応が良かったものだ。と言ってもiOSデバイスの楽器アプリとは全く違って、ちょっとでも速く鍵盤を叩くと遅延が気になってとても実用的に演奏出来るとは言い難かった。
4.2に更新されたNexus 7で試してみたところ、確かに前よりも反応が良くなっている!
感覚的なものなので数値に表すのは難しいけれども、「格段に良くなっている」と言える。
おそらくまだ4.2の新しいAPIを使った最適化はされていないと思うので、今後アプリ側が4.2に合わせて最適化されればもっと反応が良くなる可能性もあると思う。
ただし、まだまだiOSデバイスに匹敵するとは言い難そうだ。
これから何世代かかけてハードウェアがどんどん良くなって行ったとしても、そもそもJavaベースで動いているAndroidというOSでどこまでの「低遅延化」が可能なのかという問題がある様な気がする。
もちろんOSの深い所はC++などで書かれているみたいだし、アプリケーションもNDKを使えばC言語(C++)で開発する事は可能だ。やはり究極の低遅延化を目指そうとすればC言語で開発するしかないのだろうか。
いずれにせよ、Android 4.2で「反応の良い楽器アプリ」の実現に少し近づいた事は間違いない。今後どんな楽器アプリが登場してくるのか、(あるいはやっぱりダメなのか、)期待しながら待ってみようと思う。