2013年2月14日

Azure仮想マシン上でNode.jsアプリケーションをデーモン化してユーザー権限で運用する方法

作ったNode.jsアプリケーション


初めてのNode.jsアプリケーションを作ってみた。
作ったのは、ここに載っていたもの。
Androidアプリからnode.js+Socket.IOと双方向通信する

早速Windows Azure上で動かそうと思ったのだけれど、いくつか苦労したのでメモしておきたい

「Windows Azure Web Sites」は現状ではWebSocketは不可


まず、「Windows Azure Web Sites」は現時点では使えない。このサービスのベースとなっているIISのバージョンが7.5で、まだWebSocketプロトコルに対応していないからだ。

試しにやってみると、ブラウザ同士で試すと問題なく動くが、実際にはWebSocket以外のプロトコルにフォールバックして動作している。この状態だとAndroidのネイティブアプリケーションからsocket.ioライブラリを使用しての接続は上手く行かなかった。

近い将来これが IIS8.0 にアップデートされてWebSocketが使える様になったら、多分これから下に書く様な面倒な作業は不要になると思う。


「Windows Azure 仮想マシン」でUbuntuサーバーを立てる


仕方ないのでAzure上にUbuntu仮想マシンを立ち上げる事にした。

Ubuntu 12.04 Serverのインスタンスを起動して、Node.jsやその他のパッケージをインストールするのは、何の問題もなく完了。

 node folder/app.js

で起動して3000番ポートで接続を待ち受ける。と同時にAzure仮想マシンの設定でエンドポイントを追加して、外側の80番ポートを内側の3000番ポートにつなげる。これでブラウザからもAndroidアプリからも接続出来て問題無く動作させる事が出来た。

素晴らしい!

ただ、Android側のネットワークをWiFiから3G回線にすると動作しなくなるという現象に遭遇した。どうやらキャリア側で80番ポート上のWebSocketの通信を遮断しているみたいだ。(というよりおそらく、キャリアが使っているProxyサーバーがWebSocketに対応していないのだと思う。)

これに対する対策として、Azure側のエンドポイントのポート番号を443に変更したら問題なく動作する様になった。(特に443番でなくてもいいと思うけれど、ユーザー側にFirewallがある場合に、外向きのTCPパケットがブロックされている可能性が80番の次に低いポート番号という事で、443番にしておいた。)


Node.jsアプリケーションをデーモン化したい


Node.jsのアプリケーションをデーモン化して動かすには、forever を使うのが簡単らしい。

foreverコマンドを実行するスクリプトを rc.localに追加するなり、/etc/rc2.d フォルダにシンボリックリンクを張るなりすればサーバー起動時に自動で実行される様になる。


ユーザー権限でデーモンを実行したい


ただ、root権限ではなくユーザー権限で実行する方法がすぐには見当たらなかったので、調べるのにちょっと時間がかかった。結論としては次の2つのどちらかが良さそうだ。

方法1: suコマンドと forever を使う

 su - [user] -c"cd [/home/directory] && forever start [folder]/app.js"

というコマンドへのシンボリックリンクを /etc/rc2.d フォルダに作成する。(または/etc/rc.localの最後に追加する。)


方法2: Upstartを使う
 

 Upstart を使ってお手軽 daemon 化 - インフラエンジニアway

ここに書いてある方法で initctl コマンドでデーモンとしての実行を管理出来る様になる。
実行ユーザーを指定するには、

 setuid [user]

を設定ファイルに追加すればOK。


Ubuntuの標準的な方法としては Upstart を使う方が良さそうなので、とりあえず今はこれでいいかな、と思う。







 

2013年1月30日

初めてAndroidアプリを公開して1年経過した

作ったアプリ


1年半ぐらい前にこんな記事を書いて、オセロゲームを作ってみた。
http://blog.makotoishida.com/2011/06/android-1.html 

6月から作り始めて、9月に一応大体の機能が完成。その後アイコンを作ったり細かい改善をしたりして、2011年の12月にGoogle Playストアに公開した。

Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ishida_it.mireversifree



1年間の有効インストール数の推移


公開してから全く更新せずに1年を経過した頃からアクティブユーザー数に減少傾向が見られた。
ちなみに下段のグラフの水色の線はAndroid 2.3、緑の線はAndroid 4.0以降。
グラフの右端で少し右肩上がりになっているのは、Undo機能を追加する更新をした後。

現在の有効インストール・ユーザー数(インストール後、削除していないユーザーの数)は約7400。総ダウンロード数は2万1200となっている。

細々とした数字ではあるけれど、公開してからほぼ1年間放置状態だったのにしては結構インストールされているのではないかと思う。

やはり誰でも知っているオセロゲームだから、ダウンロードする前に「このゲームは面白そうかどうか」を考える必要が無いというのが大きいのだろうと思う。

とは言えさすがに1年も更新せずにいると、新たにインストールされる数よりもアンインストールされる数の方が上回ってアクティブユーザー数が徐々に減少し始める。Google Playの検索アルゴリズム上なんらかのマイナス評価が加えられるのかも知れない。


Undo機能追加でちょっと持ち直す



2012年の12月になってようやくUndo機能を追加する更新を行った。するとやはり新規インストール数がまた上昇しだした。更新によってユーザーの目に付く機会が多少増えたみたいだ。

この直後、ユーザーさんから「Undo機能を付けてくれてありがとう」というメールをもらったのには驚いた。と同時に単純に嬉しかった。アプリ開発者のモチベーションは案外こういう些細な事で保たれるのではないかとも思った。


せっかくなので大幅にリファクタリング


ただ、Google Playのレビュー欄に「コンピュータが弱い」という評価が多かったので、今年の1月に大幅にリファクタリングを行なって思考ルーチンの高速化と強化をしてみた。

思考ルーチンだけでなく盤面のデータ構造から書き直す様な大変更になったのでなかなか大変だったけれども、何とか先日新しいバージョンを公開する事が出来た。

これでまた新規インストール数が増えてくれればちょっと嬉しい。初めて公開したAndroidアプリという事もあってか、何となくよちよち歩きの我が子を見守る様な気分になってくる。



 
 

2013年1月23日

無料で外国語を学べるDuolingoに感動!

今週の中島聡さんのメルマガで紹介されていたこの動画を観た。
Luis von Ahn: Massive-scale online collaboration | Video on TED.com

Webで自動投稿を防ぐための認証に使われる「CAPTCHA」を発明したLuis von Ahnさんのスピーチだ。

CAPTCHAを改良したRECAPTCHAでは多数の人間の画像認識力を集めて古い書籍などのデジタル化に役立てているとの事。

このアイデアをさらに進めて言語教育に応用したのが、「Duolingo」という言語学習サービス。


早速登録して試してみた。今のところスペイン語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語の5ヶ国語のみの様だけれど、ぜひアジアの言語も増やして欲しいところだ。



個々の生徒が学習している間に行った翻訳作業が、実はDuolingoのサーバーで集約されて巨大な知識ベースに格納され、実際に翻訳が必要な所で活用される、というイメージだろうか。

つくづくすごい事を考える人が居るものだと感心させられてしまった。