2012年6月9日

Windows/Mac/LinuxでSugarSyncの代わりに使えそうな4つのクラウドストレージ

いつまで経ってもSugarSyncからLinux用クライアントが出て来ない。

そのためしびれを切らしてSugarSyncから離れて他のサービスへ移行するユーザーも多いみたいだ。
SugarSync for Linux . Archive (504) . Feature Request . Forum . SugarSync Community

僕はと言えば以前にも書いた通り、Wine上でWindows版のクライアントを動かして凌いでいる。でもやっぱりネイティブなクライアントがあった方が良いに決まっている。

実際、Wine上のSugarSyncだと同期対象のフォルダ内でファイルを作成・変更してもリアルタイムにアップロードされないという問題がある。(SugarSyncクライアントを一旦終了して起動し直せばアップロードが開始される。)
SugarSync on Linux - Computer

単にLinuxユーザーの絶対数が少ないから開発費をかけるメリットが無い、という理由で切り捨てるのは馬鹿げている。Linuxだけを使っているユーザーよりも、WindowsやMacと併用しているユーザーの方が断然多いはずだからだ。

Windows/MacとLinuxを併用している場合、全ての環境で同じクラウドストレージを使いたいという要望が出て来るのは当然だ。DropBoxではかなり前からこれが実現出来ているし、他の多くのクラウドストレージサービスにも当たり前の様にLinuxクライアントが用意されている。


SugarSyncが何故これほどまでにLinux用クライアントを出さないのか、ここまで来るともうあきれるのを通り越して一種興味深いものがある。もしかすると水面下でMicrosoftと買収交渉でも進行中なのかな、と勘繰りたくもなってくる。(Microsoftは既にSkyDriveやLive Meshを提供しているので多分それは無いだろうけれど。)


さて、ここからが本題だ。

現時点で、Windows/Mac/Linuxで使える他のクラウドストレージサービスを探すとすれば、どんな選択肢があるのだろうか。

ざっと探したところ下の4つが見つかった。
















































さて、では実際にどれを使えば良いのだろうか。

上記のサービスについて、「運営会社の知名度・信用度」、「使われているセキュリティ」、「無料で使える容量」の3つの観点から比較してみた。

サービス名 運営会社 セキュリティ 無料容量
Wuala LaCie クライアント側で暗号化 5GB (+紹介ボーナス)
SpiderOak SpiderOak Inc. クライアント側で暗号化 2GB (+紹介ボーナス)
DropBox Dropbox Inc. サーバー側で暗号化 2GB (+紹介ボーナス)
4shared 4shared.com サーバー側で暗号化(?) 15GB


WualaをやっているLaCie社というのは、フランスのストレージ装置メーカー。米Seagate社に買収されるらしい。もしSeagateの一部門になれば資本規模も万全だし会社としての信用度はかなり高いと思って良いのではないだろうか。(買収後に切り離されたりしない限りは。)

セキュリティ的な観点から見ると、クライアント側での暗号化はぜひ欲しい。サーバー側での暗号化だと、従業員の不正やなんらかのミス、あるいは不具合などで暗号化前のファイルが流出してしまう可能性がどうしても否定出来ないからだ。

これを考えるとDropBoxは選択肢に入れづらい。
参考: Dropboxが約4時間すべてのアカウントのロックを解除してしまう事故が発生 : ライフハッカー

4sharedについてはセキュリティに関する説明があいまいで今ひとつ信頼出来ない印象を持ってしまったので個人的には選択肢からは外したい。

無料容量も出来ればSugarSyncと同等の5GBは欲しい。


以上の事から考えると、現時点ではWualaが最も有力な選択肢になりそうだ。

早速これから試してみようと思う。





追記1: 紹介ボーナスでWualaの初期容量が6GBになるリンクはこちら。→ Wuala


追記2: こちらの記事にも参考になる情報がたくさんあった。
Dropbox vs 他社オンラインストレージ:アナタに一番合っているのはどれ? : ライフハッカー[日本版]












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2012年6月1日

UbuntuでFIT-PC2iの無線LANを有効にするには?

去年の1月から使っているFIT-PC2i。

前から気になっていた超小型省電力PCを試してみた
前から気になっていた超小型省電力PCを試してみた - その2 リベンジ編
超省電力な上に有線LANポート2つと無線LANが付いている面白いマシンだ。
8GBのUSBメモリに入れたUbuntu 10.04 Serverで順調に稼働している。

ただ、Ubuntu 10.04 Serverをインストールした直後の状態だと無線LANを認識してくれなかった。そのため今まで2つの有線LANポートを使って運用して来たのだけれど、やっぱりそろそろ無線LANも有効にして3つのLANをつなぐFirewallとして動作させてみる事にした。

無線LANを有効にする為の手順は次の通り。
  1. 無線LANチップのLinux用ドライバーをダウンロード。
  2. ドライバーのソースをコンパイル&インストール。
  3. wpa_supplicantの設定を追加。
  4. /etc/network/interfaceファイルに無線LANインターフェースの設定を追加。
  5. ネットワークサービスを再起動する。

1. 無線LANチップのLinux用ドライバーをダウンロード。


メーカのサイトからLinux用ドライバーをダウンロード。
http://www.ralinktech.com/en/04_support/support.php?sn=501
FIT-PC2iのハードウェア仕様を確認すると無線LANのチップは「RaLink RT3070」との事だったので、それに対応したものを選ぶ。


2. ドライバーのソースをコンパイル&インストール。


ダウンロードしたファイルを解凍して README_STA_usb というファイルを読むと、「Makefileを編集しろ」それから「 os/linux/config.mk」も編集しろ、と書いてある。
Build for being controlled by NetworkManager or wpa_supplicant wext functions
Please set 'HAS_WPA_SUPPLICANT=y' and
'HAS_NATIVE_WPA_SUPPLICANT_SUPPORT=y'.
とりあえず wpa_supplicant の wext を使うと行けそうなので、上の通りに編集しておく。


3. wpa_supplicantの設定を追加。


/etc に wpa_supplicant.conf というファイルを作って無線LANアクセスポイントへの接続方法を指定すれば良いらしい。
WPA2を使ったセキュリティ設定のやり方がなかなか見つからず、この設定で一番ハマってしまった。

結局このページにたどり着いて同じ様にしたらなんとかつながった。
nlog(n): Linux で無線 LAN の成功と挫折: WPA Supplicant の導入
/etc/wpa_supplicant.confの内容:
ctrl_interface=/var/run/wpa_supplicant
eapol_version=1
ap_scan=1
network={
        ssid="MYSSID"
        scan_ssid=1
        proto=WPA2
        key_mgmt=WPA-PSK
        pairwise=CCMP
        group=CCMP
        psk=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
}
psk=xxxxx….xxxxの部分は、先にwpa_passphraseコマンドを使って暗号化しておく。


4. /etc/network/interfaceファイルに無線LANインターフェースの設定を追加。


これはいつも有線LANでやっている静的アドレス指定とほぼ同じ。最後の2行が増える点だけが異なる。
auto ra0
iface ra0 inet static
  address 192.168.1.10
  netmask 255.255.255.0
  network 192.168.1.0
  broadcast 192.168.1.255

  wpa-driver wext
  wpa-conf /etc/wpa_supplicant.conf


5. ネットワークサービスを再起動する。


/etc/init.d/networking restart


これで無線LANが動いた!

さてここから次はFirewallとして使う為の iptables との格闘が始ったのだけれども、それはまた別の話だ。

ネットワークは本当に面白い。







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2012年5月26日

WebSocketについて押さえておきたいもう一つの視点


下の記事を読んで「やっぱりMeteorはすごいな~!」と思った。
体感!JavaScriptで超速アプリケーション開発 -Meteor完全解説:第1回 Meteorをはじめよう|gihyo.jp
と同時に、最近よく目にする様になった WebSocket について気になりだした。

そこで色々検索して解説記事や入門記事を読んでみた。

http://warmcat.com/_wp/2010/11/01/libwebsockets-html5-websocket-server-library-in-c/


多くの記事はAjax, Cometなどの延長・改良版としてのWebSocketという視点で書かれていたのだけれども、その中で少し視点の異なる次の3つの記事が目に留まった。

Tender Surrender: WebSocketのバイナリメッセージを試したら、ウェブの未来が垣間見えた
『今後インターネットでスピードを追求していく上で、WebSocketはなくてはならない存在になるでしょう。リアルタイムなサービスを作る必要がなくても使われるテクノロジーになります。理由は大きく2つ。WebSocketの持つオーバーヘッドの削減と、データの圧縮という特徴です。』
『僕はインターネット上でWebSocketを使って流れるデータが、将来的に全部バイナリーになる可能性すらあるのではないかと思っています。』
『少し大げさに言うと、これはウェブにおけるパラダイムシフトになり得ます。ウェブで使われるプロトコルがHTTPからWebSocketに乗る何かしらのプロトコルに置き換わる可能性は、全くないとは言い切れないのではないでしょうか。』

telnet over WebSocketを作ってみた&その意味
『WebSocketが新しいバージョンとなりbinary frameが扱えるようになったことで、今までTCPで実現されていたすべてのプロトコルとお話しできるようになります。今まで悩まされていたNAT, Firewallなどを超えて、様々なサーバと繋いでみるのも楽しいかもしれません。』

こてさきAjax:WebSocketから、これからのWebを予想してみる
『結論から先に言うと、「WebSocketはWeb上に、個々のVPNを作る技術である」と僕は思っています』
『こうなってくると、Webは、単にWebページ(コンテンツ)にアクセスするための仕組みとは言えなくなります。むしろ、Webが基本のプラットフォームとなり、そこの上に個別のポリシーのネットワークが形成される。そして、ユーザーは、それらのネットワーク上を自由に行き来するという世界観で捉えるほうが妥当であると僕には感じられます。』

これら3つの記事を読むと、WebSocketとは単なる「より良いAjax」ではなく、インターネットの世界にもっと大きなパラダイムシフトをもたらす可能性を持ったものだと言う事が言えそうだ。

これは少ないオーバーヘッドでバイナリデータを扱える様になった事によるところが大きい。これによって今現在はTCP/UDPのポート番号で区別されている通信を全てTCPの80番と443番ポートで(FirewallやNATを越えて)流す事が可能になる。(WebSocketを使ったVNCクライアントはその良い例だろう。) これが普及すればアプリケーションの区別はもっぱらWebSocket内のサブプロトコルによって行われる様になるかも知れない。

つまり こてさきAjax さんが予想されている様にネットワークのレイヤが一つ上がった形でアプリケーションが動くという事になる。

それがもっと具体的にどういう意味を持つのかはまだはっきりとイメージ出来ないけれど、何だか楽しいことになりそうな気はしている。









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